ジェフティ 約束
隣国の追っ手を振り払い、ここまで逃げてきたそうだ。一年もの間、どうやって……とダルクがリリールに尋ねたが、彼女はうつむいて言葉を濁した。
「最初は信徒の村に隠れていたのですが、追っ手が迫るとそこから抜け出して。この風貌ですから、目立つところには出られません……」
ダルクはリリールの言葉をさえぎった。言えないような辛い思いをしたのだろうと察したのだ。
村に火を放たれ、断末魔の悲鳴を聞きながらも、振り返らず必死に逃げてきた。ジェフティだけは、誰にも渡すわけにはいかないと。
「私たちを匿っていては、この村がいつなんどき襲われるか分かりません」
リリールはディルーベスの村を襲った悲劇を思い返していた。
「最初は信徒の村に隠れていたのですが、追っ手が迫るとそこから抜け出して。この風貌ですから、目立つところには出られません……」
ダルクはリリールの言葉をさえぎった。言えないような辛い思いをしたのだろうと察したのだ。
村に火を放たれ、断末魔の悲鳴を聞きながらも、振り返らず必死に逃げてきた。ジェフティだけは、誰にも渡すわけにはいかないと。
「私たちを匿っていては、この村がいつなんどき襲われるか分かりません」
リリールはディルーベスの村を襲った悲劇を思い返していた。