ジェフティ 約束
「さあな、もともとあんたは貴族出身だから、そんな悠長なことがいえるのかもしれんとは思うがな。生まれながらに地位も高貴な血統も持たない人間からしたら、欲しいものを得ようとするなら、己を磨くしか方法はないんだよ」
地位などというものは、つまらない見栄だ。そんなことはわかっている。自分の居場所を得るためには、どうしても諍って戦うしかないのだから。
山脈を越えてゆく。馬車を捨て、馬の背に揺られて肌寒い山中を行く。山頂を越えるとき、アスベリアは眼下に広がる景色に思わず感嘆の声を上げた。しばし馬の足を止め、その眺望を胸に焼き付けようと見つめる。
広大な山林の向こう、白く煙る緑の大地、これが自分が今までいた世界だ。
――これは、玉座から見下ろすこの世の全てだ。オレが欲した世界。
これは自分のものだ。これからこの手に掴み取るものなのだと、アスベリアは山頂から見渡す大地をしばし堪能した。
地位などというものは、つまらない見栄だ。そんなことはわかっている。自分の居場所を得るためには、どうしても諍って戦うしかないのだから。
山脈を越えてゆく。馬車を捨て、馬の背に揺られて肌寒い山中を行く。山頂を越えるとき、アスベリアは眼下に広がる景色に思わず感嘆の声を上げた。しばし馬の足を止め、その眺望を胸に焼き付けようと見つめる。
広大な山林の向こう、白く煙る緑の大地、これが自分が今までいた世界だ。
――これは、玉座から見下ろすこの世の全てだ。オレが欲した世界。
これは自分のものだ。これからこの手に掴み取るものなのだと、アスベリアは山頂から見渡す大地をしばし堪能した。