ジェフティ 約束
「大体、こいつが!」
「ちょっ、姐さん!そりゃあ八つ当たりってもんじゃねえか!?」
「誰が八つ当たりだ!次々騒動を起こしやがって!これ以上ふざけた事いうと、ここに埋めていくぞ!」
「わかった、わかりました!もうしません!」
 シェシルの若干本気のこもった声に青くなりながら、インサは両手を上げる。ラルフはため息をついた。いつまでこの珍道中が続くものやら。
 また山の中を行けば、オルバーまで三日はかかるだろう。しかし、今の自分にはその手段しかないのだと、ラルフは己に言い聞かせた。
 ――絶対にジェイを守れる男になってみせる!
 ラルフは二人に背を向け決意を新たにし、針葉樹の生い茂る森の奥を見つめた。
< 498 / 529 >

この作品をシェア

pagetop