ジェフティ 約束
 とはいえ、森の中は相変わらずどこにも三人が横たわって休む開けた場所もなく、身を丸めて仮眠を取るしかない。ラルフは時折ノリスの剣を鞘から少しだけ抜いて、青白い燐光を放つ剣芯を見つめた。
「どうした?」
 シェシルはラルフの手元を覗き込む。
「これは、俺を守ってくれるものなのかな、と思ってさ」
「まあ、守りもするが傷つけるものでもあるな」
 ラルフはどっちつかずのシェシルの言葉に思わず唸った。
「身体のことだけじゃないってことだ。刃をつけているものはみなそうだ。その剣だけじゃない。小さなナイフだって身を守れるし傷つけることもできる」
「難しいね」
 シェシルは静かに笑った。
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