ジェフティ 約束
「そろそろ二人を逃がす算段をつけなくてはいかんな」
 ダルクは腕を組んで、窓辺から外で走り回って遊ぶラルフとジェイの姿を見つめた。
「ラルフは寂しがるだろうが、それは仕方あるまい」
 それに、とノリスが口を開いた。
「コドリスに渡すまいと、ノベリアも躍起になって探しているだろう。ジェイが生きているのは分かっているだろうからな」
「この時期ならば、アロフを目指すのが手っ取り早いか」
 ダルクがふむと唸る。
「ああ、二人を追っているコドリスも、この時期はまだここから北のベチカ山脈の積雪が厚くて、それを超えるのは容易なことじゃないだろうし、テルテオに入ってくることはできないだろうな。その隙にと、追ってくるならばノベリアか……」
「それが一番厄介だな。やはり早いこと逃がす段取りをつけたほうがいい。
 アロフならば、私の知り合いがいる。そちらを頼るといい。この村の南に広がる森の中を行き、アロフまで抜ける道が一番安全だろう」
 しかし、とダルクは口を閉じる。
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