ジェフティ 約束
「すごいものってなんだよ」
「それは見てのお楽しみ」
「はしゃぐな、目立つだろうが」
シェシルは自分のフードを目深にかぶり直し、あたりに目を配る。すでにそこはオルバーへと続く道のすぐ脇で、行き交う人たちがめいめいに何がしかの荷物を背負っていた。しかし、街の方向から来る人は皆、一様に黒い衣装に身を包み、暗い表情をしている。街へと向かう人を乗せた馬車の御者も、裕福そうな身なりの旅人も、皆黒装束に身を包み無言だ。
「なんでどの人も黒い格好なんだろう?」
ラルフはシェシルを振り返って、疑問を口にする。シェシルも気がついていたのだろう。歩きながら背中の荷物を前に回すと、その中をごそごそと探り黒いフードのマントを取り出した。
「私たちも同じようにしよう。皆同じ格好の方が目立ちにくいからな」
「誰か死んだんじゃねえの」
インサがのんびりとした口調で、城の尖塔を指差した。そこには、喪を意味する黒い旗が窓にいくつも掲げられ、雨に打たれて重く垂れ下がっている。それは、国の要人が死去したことを告げていた。身なりのよい旅人が多いのは、その要人の葬儀に参列するためなのだろう。
「それは見てのお楽しみ」
「はしゃぐな、目立つだろうが」
シェシルは自分のフードを目深にかぶり直し、あたりに目を配る。すでにそこはオルバーへと続く道のすぐ脇で、行き交う人たちがめいめいに何がしかの荷物を背負っていた。しかし、街の方向から来る人は皆、一様に黒い衣装に身を包み、暗い表情をしている。街へと向かう人を乗せた馬車の御者も、裕福そうな身なりの旅人も、皆黒装束に身を包み無言だ。
「なんでどの人も黒い格好なんだろう?」
ラルフはシェシルを振り返って、疑問を口にする。シェシルも気がついていたのだろう。歩きながら背中の荷物を前に回すと、その中をごそごそと探り黒いフードのマントを取り出した。
「私たちも同じようにしよう。皆同じ格好の方が目立ちにくいからな」
「誰か死んだんじゃねえの」
インサがのんびりとした口調で、城の尖塔を指差した。そこには、喪を意味する黒い旗が窓にいくつも掲げられ、雨に打たれて重く垂れ下がっている。それは、国の要人が死去したことを告げていた。身なりのよい旅人が多いのは、その要人の葬儀に参列するためなのだろう。