ジェフティ 約束
村の南に広がる森は、通称『彷徨い森』と村人が言うほど、鬱蒼(うっそう)と生い茂る下草が大人の背丈にも達し、陰鬱(いんうつ)な森が広がり獣道すら見当たらない。地元の人間でも、気を抜くと迷子になってしまうというほどの場所だ。
それならばとノリスが口を開いた。
「私が二人を国境付近の安全なところへ連れて行こう。私なら旅慣れているし、地の利もある。二人だけで彷徨いの森を抜けることはまず困難だからなあ」
「それでは、あなた方に危害が及ぶのではないですか。私たちを逃がす手助けをしたなどと国王の耳に入りでもしたら……」
リリールが青ざめた表情で首を振るが、ダルクは指先でぽりぽりと頭を掻きながら、言い訳がましく苦笑を交え言った。
それならばとノリスが口を開いた。
「私が二人を国境付近の安全なところへ連れて行こう。私なら旅慣れているし、地の利もある。二人だけで彷徨いの森を抜けることはまず困難だからなあ」
「それでは、あなた方に危害が及ぶのではないですか。私たちを逃がす手助けをしたなどと国王の耳に入りでもしたら……」
リリールが青ざめた表情で首を振るが、ダルクは指先でぽりぽりと頭を掻きながら、言い訳がましく苦笑を交え言った。