ジェフティ 約束
序章 夢から醒めない
■始まりの夢は
夢見るほど残酷なことはない。ラルフの体に絶え間なく襲い掛かる夢が、意識を忘却のかなたへと連れ去ろうとしている。
まだ遠くの方で、剣のぶつかり合う金属音が断続的に聞こえる。そこへ野太い怒号と悲鳴が混じり合い、より凄惨(せいさん)さを彩っていた。
しかし、それもまた、まるで柔らかな真綿に包まれ大切に守られているかのような、茫漠(ぼうばく)とした意識に覆われて、あたかも悪夢の一遍のように、実態のないもののように感じるのだ。
意識がするりと体を抜けだし、音のほうへと引き寄せられていく。戻りたくはないと思い、しかし真綿に包まれた安らぎにはもう戻る事はできないと、身の内の誰かがささやいた。
その身に罪を刻め、と。
まだ遠くの方で、剣のぶつかり合う金属音が断続的に聞こえる。そこへ野太い怒号と悲鳴が混じり合い、より凄惨(せいさん)さを彩っていた。
しかし、それもまた、まるで柔らかな真綿に包まれ大切に守られているかのような、茫漠(ぼうばく)とした意識に覆われて、あたかも悪夢の一遍のように、実態のないもののように感じるのだ。
意識がするりと体を抜けだし、音のほうへと引き寄せられていく。戻りたくはないと思い、しかし真綿に包まれた安らぎにはもう戻る事はできないと、身の内の誰かがささやいた。
その身に罪を刻め、と。