ジェフティ 約束
 闇雲に振り回したラルフの剣先が、男の腕を切り裂いた。男があわてて身を引いた瞬間、リリールは男の手を振り解きジェイへと駆け寄った。
「もう我慢できねえぞ。ガキだと思って見逃してやろうと思っちゃいたが!覚悟しろ坊主!」
 男は真っ赤な顔で自分の剣を引き抜き、上段に構えた。取り囲んでいた他の兵士たちも、剣を抜き殺気立った目でラルフたちを取り囲む。

 男の手が動いた。
「やめて!!」
「お母さん!!」
ジェイの甲高い悲鳴が、ラルフの体を包みこんだかのように聞こえてきた。
< 71 / 529 >

この作品をシェア

pagetop