ジェフティ 約束
「いたぞ!ノリス=ペルノーズだ!!」
 炎の向こうから、兵士たちが駆けてくるのが見えた。
「聞けラルフ。私があいつらをひきつける。その間に、あの橋から川へ飛び込め」
 ノリスは剣を構え、もうラルフに背を向けていた。
「生きろよ、いいな。兄貴や婆様や、村の人の分まで生きろ。
 強くなれ!ジェイを奪い返しにいってこい!」
 ノリスはその言葉をラルフに投げかけると、猛然と駆け出した。

 ノリスの言葉は、涙に震えていたようにも聞こえた。
 ラルフの耳には、その時のノリスの言葉が深く刻まれ、その後の困難をずっと支え続けることになった。
< 79 / 529 >

この作品をシェア

pagetop