ジェフティ 約束
「どうした?」
眠れないのか、と言葉を続けた女と目が合った。その刹那、炎に照らされたアメジストに輝く瞳がちらりと見えて、ラルフは自分の心臓が飛び跳ねた。
がばっと体を起こして、もう一度女の顔をのぞきこむ。何かの見間違いだったのかと思ったのだ。しかし、女の怪訝(けげん)に細められたまぶたの奥には、闇夜のように濃いアメジストの宝石があった。邪悪な闇を払い退けるような、高潔なパープルの輝きを帯びた双眸。
女はすぐに視線をそらすと、さっと立ち上がった。
「寝ぼけてるのか?」
訝しんだ表情で一度視線をラルフに向けたが、すぐに身を翻し、夜の森の中へと入っていってしまった。
ラルフは再び砂の上に視線を落とし、ぼんやりと考えてみる。
――ジェイと同じ色の瞳だった。
今までラルフは、アメジストの瞳の色は巫女族だけの特別なものなのかと思っていた。自分の髪の色もそうだが、体の色の違いだけで種族を区別することはできないのかもしれないと森の方を見ながら思う。
眠れないのか、と言葉を続けた女と目が合った。その刹那、炎に照らされたアメジストに輝く瞳がちらりと見えて、ラルフは自分の心臓が飛び跳ねた。
がばっと体を起こして、もう一度女の顔をのぞきこむ。何かの見間違いだったのかと思ったのだ。しかし、女の怪訝(けげん)に細められたまぶたの奥には、闇夜のように濃いアメジストの宝石があった。邪悪な闇を払い退けるような、高潔なパープルの輝きを帯びた双眸。
女はすぐに視線をそらすと、さっと立ち上がった。
「寝ぼけてるのか?」
訝しんだ表情で一度視線をラルフに向けたが、すぐに身を翻し、夜の森の中へと入っていってしまった。
ラルフは再び砂の上に視線を落とし、ぼんやりと考えてみる。
――ジェイと同じ色の瞳だった。
今までラルフは、アメジストの瞳の色は巫女族だけの特別なものなのかと思っていた。自分の髪の色もそうだが、体の色の違いだけで種族を区別することはできないのかもしれないと森の方を見ながら思う。