Princess of Magic
『あの…話が戻るんですけど、お母さんはお姫様だったんですよね?ならなぜ一国の姫がこんなところに?あんなに貧乏な・・・』
庇「それは・・・あなたのお父さんは一般人として生きる者だった。そんな人と結婚するなんてってあなたのおじい様は仰ったわ。でも、おばあ様と陽様の弟君は賛成してくれていたの。・・・でも、おじい様がどうしても許してくれなかった…だから、陽様はこちらに来て一般人として生きてきたの。」
そんな事があったなんて…
『庇さんはなぜこちらに?』
庇「私は陽様のお世話係だったの。だから、私が付いて来たのよ」
『私のお父さんは?』
庇「・・・・姫ちゃんのお父様は…こっちに来てすぐ殺されたわ・・・当時の王。つまりあなたのおじい様の命によって・・」
そんな…どうしておじい様はそんなことが出来たの?・・・
その時姫の中で何かが目覚めた。
今まで姫も気付かなかった何かが・・・
姫はまだそのことに気付いていないが・・・・
『どうしてそれを私に今話してくれたのですか?』
庇「それは…Magic Countryが今、危機に陥っているの…Magic Countryは王と月読み…巫女とも言うのだけれど、と の2つで成り立っている。そしてその月読みが亡くなったわ…次の王と月読みの名を呼んで・・・」
『それで、私に何の関係が?』
嫌な予感がするけれど…嫌な予感は当たりやすいのよね…
庇「その、名前を呼ばれたのが姫ちゃんなの・・・」
『どうして・・・何で私なんですか?今の今までそんな国自体知らなかったし、国の人だって私のことを知っているはずもない、何も知らない高校生だったのに・・・どうして私が?だって、普通は姫や王子が王位を継承するんじゃないんですか…?何で私…』
姫はとても混乱していた。
父親は殺され、母親は一国の姫
次は自身がその国の妃になりそうなのだから…
そんな姫を見ながら庇は何もできない自分に歯痒さを覚えていた・・・