Princess of Magic

庇「陽様は生前言っておられたわ・・・」

 『お母さん・・・が?』

庇「えぇ。あなたがまだおなかの中にいたときの話よ」

 
* * * * *
 * * * *

陽《庇。今から私が言うことは嘘でなければ空想でもないの…》

庇〈どうしたんですかいきなり…〉

陽《この子はあの人の子ではないの…》


庇〈え…?あの…陽様??・・・一体、どういう、こと、ですか?〉
陽《あなたが混乱するのも致しかたないことよ。でも、この子は私の子。でも、あの人との子供ではないの。》


庇〈え?それでは誰との間にもうけた子ですか?!〉
陽《信じるとは到底思えないけれど…私の子。としか言いようがないわ。相手はいない。本当よ。急に妊娠したの。〉

庇〈そんなことが!!・・・聞いたことがありません…〉
陽《わたしもよ・・・》


庇〈それでは、あの方は?〉
陽《あの人は…とても優しい人なの・・・私のことをずっと昔から好きだと言ってくれていたわ…でも、私は恋愛感情を抱けなかった。だから、親友として一緒にいてくれたの。そして、この子のことを真っ先に言ったわ。》

庇〈あの方にですか??〉
陽《えぇ。そしたら、あの人は、このままだと、この子が大変な目にあう。と言って、私と一緒に外界にでてきてくれたの。でも、あの人は私の所為で亡くなってしまった…》


庇〈陽様…でも、本当にその御子が急に出来たのでしたら、その御子はどうなってしまうのでしょうか?〉


陽《私も、それを心配して、視たの…そしたら、なにも視えなかった。ただ、分かるのは姫というこの子の名前。そして、この子は生まれ持っての魔力が今までで、1番強いの。》

庇〈そんなに魔力があるなら、体を魔力が浸食してしまうのでは?!〉


陽《私もそれを心配したわ。でも、全然平気だった。それよりも、この子の未来のほうが心配だわ。力がいつ暴走してもおかしくないもの…》


庇〈封印してはどうでしょう?〉

陽《えぇ。私もそれを考えたわ。私が生きているうちはそれでいいけれど…私が死んだら…》

陽の魔力は強かった。

庇〈その時は…封印具を使います。とても強力なのを〉

陽《どんなものもこの子には弱すぎる。どうしたら―――そうだ!!私が作ります。今までかつてないほどの強力なものを!!》

庇〈そんな事をしたら、お命が!!〉
陽《この子の為ならば平気よ》

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