Princess of Magic
姫は建物の中を見つめていた。
高い屋根、白とクリームを基調とした色。
そして、ステンドグラスのような窓…

 綺麗・・・外界ではこんな建物何処捜してもないよね…

庇「ひめ、ひめ」
 
 庇さんが誰かを呼んでる…ひめさんって誰だろ?
 姫嘉と同じ名前の人かぁ・・・
 お姫様みたいな名前でかわいいなぁ…

 あれ?庇さんこっち見てる気がする…

庇「妃芽!」
 『あっ!はい。どうしたんですか?』
庇「その様子だと、話を聞いていなかったわね…」
 
 はなし・・・
 『ごめんなさい…ほとんど聞いてませんでした…』
庇「だと思ったわ。もう、今度はきちんと聞いてね。」
 『はい・・・』

庇の話はこうだった。
この国では、名前は名を名乗るが、その名は外界とは違う名と言うことだ。外界の名は仮の名ということらしい。

つまり、合計3つの名前がある。そして、庇の名は庇保(ひいほ)というらしい。
そこまで聞いて、妃芽は

 『ややこしい…』
庇「私のことは庇保でも、庇でもどちらでも構わないわ。」
 『でも、ホントの名前が庇保なら庇保さんって呼びます。』

庇「ありがとう。あら、話がずれちゃったわね。どこまで話したかしら?・・・そうそう!あなたの本当の名は妃の芽と言うままの字で妃芽(ひめ)というの。」
 
 『ひめ・・・』
 姫嘉と同じ…ひめ、そして、いん。

庇「えぇ。あなたの真名はあなた自身が知っているから…覚えてる?覚えてるなら、今ここで一緒に登録した方がいいのだけれど・・・覚えていないならまた来ればいいわ。」

 私の真名・・・それは・・・

* * * *
 * * *

陽〈あのね、姫。あなたにはまだ難しいかもしれないけれど、あなたにはもう一つ名前があって、それを真名と言うのだけれど、あなたの真名は・・・・よ。絶対に忘れてはだめよ。絶対に・・・〉

* * * *
 * * *

 あぁ、お母さん、やっとあの意味が分かったわ。

 『大丈夫です。真名覚えてますから。登録してきますね。』
庇「大丈夫?分かる?」
 『多分大丈夫です。少し待っていて下さい。』

妃芽はなぜか大丈夫な気がした。



 

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