眠り姫
その部屋に、姫はいました。
天蓋付きの大きなベッドで、柔らかそうな羽布団にくるまれて安らかな寝息を立てています。
しかし、そのベッドにもイバラは絡みついています。
姫をその場に押し込めるように周りを取り囲み、ツタは執拗に巻きついています。
もうほとんど切れなくなった剣でへし折ると、血のように真っ赤なバラの花びらが、ハラハラと姫の透けるように白い頬に落ちました。
聞きしに勝る美しさです。
若者は思いました。
この姫の目が見てみたい。
きっと宝石のように澄んでいるに違いない。閉じたままなど、もったいない。
若者は姫の手を取り、跪きます。
「もう安心です、我が麗しのプリンセス。その瞳を私にお見せ下さい。」
姫のまぶたが、微かに動きました。
天蓋付きの大きなベッドで、柔らかそうな羽布団にくるまれて安らかな寝息を立てています。
しかし、そのベッドにもイバラは絡みついています。
姫をその場に押し込めるように周りを取り囲み、ツタは執拗に巻きついています。
もうほとんど切れなくなった剣でへし折ると、血のように真っ赤なバラの花びらが、ハラハラと姫の透けるように白い頬に落ちました。
聞きしに勝る美しさです。
若者は思いました。
この姫の目が見てみたい。
きっと宝石のように澄んでいるに違いない。閉じたままなど、もったいない。
若者は姫の手を取り、跪きます。
「もう安心です、我が麗しのプリンセス。その瞳を私にお見せ下さい。」
姫のまぶたが、微かに動きました。