First xxx.
「ちょっと、なんであたしを置いていったの?」
月曜のお昼。できなかった反省会を兼ねたランチ会。会社の近くにある洋食屋さんでとオムライスを食べながら、なんであんな経緯になったのかを聞き出した。
「あたしとふみくんは家の方向が同じだから一緒に帰ったんだ。りっちゃんはなおくんといい雰囲気だったし、瑠美も良輔くんにベッタリだったからてっきりいい雰囲気になったんだと思って二次会しないで解散したんだよ。あれ素面じゃなかったの?」
「違うよ。あれだけでぶっ飛ぶって恥ずかしい。けど、二次会しなくてよかった……あたし、酔うと六甲おろし歌いたくなるの。スワローズファンなのに」
「六甲おろしって……そこは東京音頭じゃないの?まあ、瑠美は普通の飲み方しないけどね。あんた飲み方おかしいって。日本酒のんでからウイスキー飲んでテキーラ飲むのは間違ってるよ」
呆れ顔でサラダの器を手にする佳奈子に「そっちはどうだったの?」とにやっとしながら訊く。
「別に?ただ、またみんなで遊べたらいいねって話したし、今度うちの会社でもPRに使いたい話は出てるの。だから、今度は会社として打ち合わせしに行くんだ」
「けどさ、朝ねりっちゃんに言われたの。ノリでやればよかったじゃんって。でもさ、無理だよ」
「初対面だから?」
「それもあるけどさ、安っぽいようなアメニティサイテーなラブホはやだよ。ここまできたらペニンシュラがいい」
「瑠美、あんたさ一回だけでいいから一般的な人とデートしな?けど、ニートやフリーターはだめだよ?」