打倒パニック障害!!パート2~妊娠編~
部屋に鳴り響く、キーボードのカタカタという音に、私と妻の苛立ちは増さずにはいられなかった。
しかし私は既に堤下は見限っていたので、完全に無視し、妻の背中に手をやった。

……が、泣きじゃくる妻に手を弾かれた。
後から聞いた話だが、堤下に対して私が何も文句を言わなかった事にも、妻は憤りを感じていたようだった。

堤下を見限っていたから何も言わなかったというのもあるが、もう一つ理由があった。

病院探しで情報を集めていた時に、失敗談みたいなものを書いたトピクッスがあって、次のような内容のものが結構あった。

それは、堤下のようなデタラメな医者に対して、付き添いの人が文句を言って怒鳴ったら、付き添いの人も精神病あつかいされ、まともにとりあってもらえなくなった……というものだ。

もし私がそのような扱いになってしまったら、後から病院側に苦情を出しても、まともに取り合ってもらえないような気がした。

そう自己完結していた私に、妻は憤りを感じていた。

妻の発作は酷くなるばかりだったので、堤下を後にし、隣の部屋のベッドに寝かせてもらった。
妻は地元の病院、D病院の主治医の先生の名前を叫んでいたので、私はD病院に電話し主治医に状況を説明し相談した。
とりあえずワイパックスをのませるようにと言われたので、ワイパックスをのませた。

妻が少し落ち着き、会計を済ませると、私達はすぐに、2日前にも訪れた相談室に向かった。
 
妻は涙ながらに堤下の残酷さを語った。

相談に対応してくれているお姉さんは、全て書き留めていたので、私も必死に訴えかけた。

こういう場合は、本人に直接言うより、こういった場所に苦情を出した方が効果的だと思った。

あの場で堤下本人に感情をぶつけて文句を言わなくて正解だったと、改めて感じた。

そしてS大学病院には産婦人科含め、二度と行かなくなった。
妻はS大学病院の建物を見るだけで、憤りを感じるようになってしまった。
 
 
※堤下と表現してますが、インパルスの堤下さんとは一切関係ありません。
堤下さんすみませんm(_ _)m
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