もう恋なんてしない
出口付近にいた店員を捕まえる。

「淡いブルーの服を着た…髪の長い女の子を見ませんでしたか?」

首を横に振る店員。


横から別の店員が

「そのお客様でしたら、少し前に帰られました」と言う。

「何か、何か言ってませんでしたか?」

逸る気持ち。

「駅への行き方を訊かれましたので、お教えしました。
店を出て左へ、そのまま真っ直ぐ歩いていけば大通りに出るので右…と」

「ありがとう!」

僕は大急ぎで店を出た。
瑠璃ちゃんに追いつきますように、と願いながら・・・。

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