もう恋なんてしない
頼む。追いついてくれ。

心配だ。
こんな時間に女の子一人だなんて・・・。

金曜だし、電車には酔っ払いがいるかもしれない。
いや、それ以前に大丈夫なのか?
無事、瑠璃ちゃんは駅まで辿り着けるのか?

家までちゃんと送り届けるのが僕の役目。
最後まで見届けないと安心出来ない。

あらゆる思考が錯綜する中、
大通りに出る手前の脇道に、二人組の男に絡まれている女性の姿。
男の背中越しに淡いブルーが見えて…それが瑠璃ちゃんだと認識する。


こいつら、何をやってるんだ?


バカヤロー

馴れ馴れしく触るんじゃねえ!



冷静に考える間もなく、一人の男に殴りかかっていた。

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