もう恋なんてしない
抱きしめたまま、ずっと背中を撫でた。

ようやく落ち着いたのか、震えが治まったから大通りでタクシーを拾う。
一緒に乗り込み、運転手に彼女の家を告げた。


僕と離れた後、何かあったはずだ。
トイレで何か言われたのか、されたのか…。


思い切って尋ねてみたけれど、彼女は答えてくれなかった。


一体、何があった?

必死に目を向けても
困ったように、ただ微笑むだけ。


瑠璃ちゃんは何も話さない。



答えが見えない。

ただ、悔しさが募るだけ。

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