もう恋なんてしない
負い目が全く無かったかと言えば・・・それは嘘になる。
でも、だけど・・・。

「まあ、流星が真剣に考えてるんなら、俺は口出ししねーけど。
前に言ったよな?
“女の影が消えるまで、瑠璃には近付くな”って・・・。
それは絶対に譲れねーからな!」

「分かってる・・・。
意識してるし、神経遣ってる・・・」

「ならいいや。
あいつ・・・今、大変みたいだから。
緋笙流の家元に呼び出しくらって、幹部に引き込まれそうだからさ。
余計な心配事は排除してやりたいんだ」

もしかして、撮影の日に急に出来た用事って・・・緋笙流の事?
そうだとすれば・・・
もっと親身に話を聞いてあげれば良かった。

「まだ決まった訳じゃないし。
あいつには断る権利もあると思うしな?」

正直なところ、瑠璃ちゃんが緋笙流に忙殺されるのは…イヤだ。

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