もう恋なんてしない
「いいんです…お忙しかったと思いますし。
実を言うと私も…緋笙流の事で手一杯でしたから…」

入院していた話も聞かされた。
知らせてくれれば、お見舞いに行ったのに…。

「単なる過労ですって。
どんだけ体力無いんだよ…って感じですよね?
すぐに退院しましたし、お見舞いなんて…お気持ちだけで十分です」

どこまでも控えめな彼女…。
今日だって、お祭りに行けなかったのに責めたりしない。

「今日もごめん。
本当は一緒にお祭りに行って、屋台とか見たかっただろ?
リンゴ飴だって、食べたいって言ってたし…。
そうだ!来年、来年は一緒に行こう!ね?」

何か言いたげな瞳で僕を見る瑠璃ちゃん。
一瞬、暗い表情になった気がするんだけど・・・。

「や、やだな~。もう来年の話ですか?
鬼が笑っちゃいますよ!」

軽くスルーされた様に思うのは、僕の気のせい??


ひょっとして…行けなかった事を怒ってる、とか?

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