もう恋なんてしない

そんな時、突然 電話のベルが鳴った。

「あら～、史也。どうしたの？
瑠璃？えぇ、今 横にいるけど？」

どうやら史也兄さんからの電話みたいだ。

「瑠璃か？俺だ。元気にしてるか？」

「うん、元気にしてるよ？」


兄さんからの電話は…流星さんの事だった。
流星さんが困ってるから助けてくれないか、って。


土曜日に行われる『スターダスト・カフェ』のイベント。

各界の著名人を招待してのレセプションが催されるとの事で、流星さんは準備に忙しいらしい。

そんな時、予定していたフラワー・デザイナーが交通事故に巻き込まれ、会場のフラワー・アレンジメントが出来なくなったと…。

緋笙流で花を生けていた私に、代役を頼めないか…との打診だった。