もう恋なんてしない
こんな気持ち…知らなかった。

30年生きて来て、それなりに恋愛をしたつもりだった。

だけど・・・
僕の周りにいたのは、いつも『自分が一番』だと思う様な女性ばかりで。


それでも、それが『恋』だと思ってた。


自分から好きになった女性なんていなかった。

始まりが僕からじゃなかっただけ。
そんな事は単なるキッカケ。
特に気にも留めやしなかった。


だけど・・・
どの女性も、深く僕を知ろうとはしなかった。

ただ、連れ歩くのに都合のいい存在。
僕をファッション・アイテムの一つとして捉える態度に、急速に気持ちが冷めて行った。


僕は飾り。

誰も中身なんて知ろうともしない。

彼女たちにとって、僕はアクセサリーでしかなかったんだから。

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