もう恋なんてしない
「それじゃあ流星さん、ついでに瑠璃も連れて行って貰えるかしら?」

「は?」
「え?」

突然の言葉に、二人同時に声が出た。


「二人に足りないのは…一緒にいる時間じゃないかしら?
離れて、お互いに別の事を考えてるから、余計な心配や迷いも生まれるの。
一度イヤになるぐらい一緒にいたらどう?」


ど、どうって・・・。
おばあちゃん、私…嫁入り前だよ?


「流星さんは史也の親友なんでしょう?
出会ったキッカケも史也なんでしょう?」


確かにそうだけど・・・。
一番怖いのは、その史也兄さんだったりするんだけど?


「瑠璃・・・長い人生には一歩踏み出さなきゃいけない時もあるんだよ。
周りに気を遣ってばっかりじゃ、後悔する事になるよ?」

「おばあちゃん・・・」

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