もう恋なんてしない
「田舎に帰ってる。
“充電器を忘れた”って言ってたから電池切れだろう?」

我ながら上手く誤魔化せたと思う。

「ふ~ん、そうなんだ。
それにしては…随分、流星は落ち着いてるね。
どうしてるの?電池切れじゃ連絡も取れないだろ?」

!!!

「そ、それは・・・。
お、おばあちゃん家に直接、電話してるんだ!
おかげですっかり おばあちゃんとも仲良しだ」

ちょっと口ごもってしまったけど、的を射た答えだったと思う。

はぁ~ヤバイ。
質問によっては、しどろもどろになって答えられなかったかも…と内心焦る。


でも、そんな些細な僕の慌て方に、ケンが怪しんでるなんて…。

ちっとも僕は気付いていなかった。

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