もう恋なんてしない
「流星さんの女性嫌いに、兄が関わってるって…どういう事ですか?」

「ああ、理由ね。
その女と付き合うように指示したのが、アンタの兄貴だよ…。
全く、何考えてんだか。
仲いいフリして、最低な男だよ、アンタの兄貴!」

うそ…。
そんなはず、無いと思う。

たとえ、それが事実だったとしても…

流星さんと兄さんは凄く仲がいいと思う。
私から見ても良好な関係。
お互いを信頼してるみたいに見える。
普通なら蟠(わだかま)りが有ってもいいはずだけど。

「俺は…アンタの兄貴が大っ嫌いなんだ!
いつも堂々としてて、余裕たっぷりで。
流星の心を掴んで放さない。
ずっと気に入らなかった。

レセプションの日、初めて会った時も小馬鹿にした態度だったし。
自分の事を何様だと思ってるんだ、って」


ああ、あの日。
確かに、兄さんの態度は失礼だったと思う。

ケンさんが『小馬鹿にされた』と思っても仕方ないかも。

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