もう恋なんてしない
苦しそうに話すケンさん。

私が流星さんと付き合うなんて…絶対に許せない事だったんだろうな。


その時、
ガチャガチャと鍵の開く音がして、思い切りドアが開いた。


「流星さんっ!」
「流星・・・」

同時に声が出た。


「瑠璃っ!!」

椅子に括りつけられた私を見て、流星さんが駆け寄って来る。


「9分40秒か・・・。俺の負けだな・・・。

良かったね、瑠璃さん。王子様が助けに来てくれて・・・」


「ケン・・・!!」


ケンさんを睨み付ける流星さんの目は…怒り狂ったようだった。

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