もう恋なんてしない

「じゃ、僕たちもそろそろ行こうか?」

流星さんの手が私に差し出される。

「はい!」

迷う事なく、その手を取る。


歩き出そうとしたところで、流星さんの携帯が鳴った。


「あ、史也?
今? 空港の搭乗ゲート。 うん、見送った。
これから? まずは駐車場に戻って…」

え?
前方から歩いて来るのは・・・

史也兄さん!!


「チッ、間に合わなかったか」

ひょっとしてケンさんを見送りに・・・?

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