もう恋なんてしない
困った顔で、ずっと黙ってる流星さんが子供みたいに見えた。

「瑠璃さん、本当に申し訳ありません。
すぐに車を用意しますから、タクシーでお帰り下さい」

柏木さんは本来の秘書モードに戻ったみたい。

「いえ、それには及びません。
せっかく街まで出て来たので、その辺を見て帰りますから♪」

「瑠璃ちゃん・・・」

流星さんの困った顔を見ていたくなくて、急いでその場を引き上げる事にした。

「それじゃ、また・・・」


「瑠璃ちゃん、本当にごめん・・・」


そう言ったきり、流星さんは、ずっと頭を下げたままだった。

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