もう恋なんてしない
「そうですか・・・。
白のメルセデスだなんて~。
流星さんって白馬に乗った王子様みたいですね!」

「白馬の王子!?
やめてくれ、有り得ないよ!!」

いえいえ、十分ピッタリだと思いますよ?
そう思うのは、私だけじゃないはず。


「それじゃ、誰も邪魔の入らないうちに行こうか?」

その言葉とともに、車は静かに走り出した。


車内では、常に流星さんが話しかけてくれて、あまり緊張せずに済んだ。


やがて景色は人里離れた街並みに。

「もうすぐ着くからね」

この前は真っ暗だったから、周りの雰囲気がよく分からなかったけど
今日は少し早いから、夕暮れの景色がよく見えた。

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