私が好きになった男は私が嫌いなヤンキーでした。


ガラッ…

「座席どっこかなぁ~」

何でこんなにテンション上がってんの?

教室に着いたあたしたち。
教室の中には、真面目そうな奴、ケバい奴。いろんな奴がいる。


…何かまとまり無さそうなクラスだな~。



「茜、席窓側の一番後ろだ。あたし廊下側の一番後ろ。あ~ぁ、離れちゃった」

「本当だ」

あたしの周りは…

げ、女少ない。


窓側の一番後ろは最高なんだけどな~。

何か友達できない気がする…。




まあしゃーない、席着くか。



ガタン…


はぁ~…。

…寝るか。


あたしは伏せた。




「…あの~」

誰?
そう思って顔を上げたら、目の前の席にめっちゃ可愛い子がいた。

「…あたし?」

「うん、そう。あたしは、佐々木奈留美っていうの。あのさぁ…この席あなたぐらいしか周りに女の子いなくって、良かったら友達になってくれないかなぁ…」

「…もちろん!あたしは、淀宮茜。よろしく。えっと…」

「あっ、ナルでいいよ」
「わかった。よろしく、ナル。あたしは茜で」

「うん。こちらこそよろしく、茜」


そう言って笑ったナルは、更に可愛い。

「茜。茜は、彼氏いるの?」

「はっ?いないよ!ナルこそいないの?」

「えっ、いないの?そんなに綺麗なのに!あっ、あたしもいないよ」

嘘…

こんなに、可愛いのに。


「…あたし綺麗じゃない。ナルは可愛いけど」

「はっ?可愛いくないよ!」


きずいてないのかなぁ?
絶対モテる顔だと思うんだけどなぁ…。


「茜~」

「…友達?」
「うん。中学からのね」
「へぇ~」

「あれ?どうしだの、こんなに可愛い子と」

やっぱり、由梨亜も可愛いと思ったらしい。

「今さっき友達になった…「佐々木奈留美です!ナルって呼んで」」

「よろしく~。あたしは由梨亜」

「よろしく、由梨亜」


「あんた何処行ってたの?」

「う~ん?」


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