ロ包 ロ孝 2
「ロクジュウニキロ」

「ゴジュウハチキロ」

 グラスファイバーのソリで引っ張られて来た2人が先に降り立った。

「やっぱお前ら軽いなぁ」

 続いて降り立ったのは野木村だ。

「ヒャクサンジュウゴキロ」

「いやん! 乙女の体重を公表するなんて酷いわね!」

「キュウジュウニキロ」

「俺の方がぁ、野木村さんよりもぉ、軽いじゃん」

 彼らは次々と点検口から入って行く。

古い設計図に依ると、エレベーターを出て奥に一直線に伸びている廊下が、ニュートリノ検知装置へと続いている筈だった。

その広大な地下空間に、センターコア・モノリスが鎮座しているのだ。

「この奥に有る筈よ? 急いで!」

 野木村達はヘッドランプの明かりを頼りに暗闇をひた走る。終わりが見えない廊下は、いつまでも果てしなく続いているように錯覚させた。

  ウィィィィイン

 しかし野木村達の行く手を遮るように、無数のLEDの光が現れた。

「いよいよ警備ロボットが攻めて来たわよ? みんな気を付け……て……?」

 野木村は、電子回路のみを焼き切る事が出来る電磁爆弾を持ったまま、立ち尽くしている。

「の……野木村さん、あれは……」

 皆のヘッドランプに照らし出された物体は確かにロボットだったのだが……。

野木村達には目もくれず、エレベーターへ向かって行く。

  ウィィィィン ガシャン

「ロクジッキロ」

 ウィィィィン ガシャン

「ロクジュウヨンキロ」

 次々とやって来るのは、モヤシの積まれたパレットを運ぶ運搬用ロボット達だったのだ。

  ウィィィィン ガシャン

「ナナジッキロ」

  ウィィィィン……


───────


「結局他の通路も隈無く探してみましたが、後はキノコやらの菌類を養殖しているブロックしか有りませんでした」

「構造的に見ても、ここが穴の底みたいだわ?」

「確かに地熱で温かいからぁ、こういうのには向いてますよぉ。ここは!」

「何だよ! ガセだったのかよ!」

 野木村はいきなりトップギアに入っていた。


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