ロ包 ロ孝 2
「おぅ、サブラウ。久し振りね?」
「へ?」 ヒクッ
その女性からいきなり名前を呼ばれた三郎は、息を詰まらせた。
「なんだ? お前、外人さんに知り合いが居るなんて、隅に置けねぇな」
真っ赤になった三郎の顔は紫になり、吹き出す脂汗と共に青ざめていく。
「ングッ……プハッ。ウゲホッ、ゴホッ! が、外人に知り合いなんか居ませんよ。雷児さぁん」
ようやく息を吹き返した三郎は、咳き込みながらも必死に否定した。
「これ、あなたにもろたよサブラウ。覚えて無いのか有るのかハッキリしろ」
首から下げている、勾玉がヘッドに付いたチョーカーをプラプラさせて彼女は首を傾げる。
「……! ……思い出したぁ! あの変な外人!」
頬をプックリと膨らませて眉を吊り上げると彼女は言った。
「変な外人違いまぁす。わたしカン・ロアメ言います。ジェイと仲良しネ」
彼女は夏休みにまた地球を訪れていた。月地球間に定期便のシャトルが運航している現在に於いても、渡航費用はやはり莫大な物となる。
それを苦もなく捻出するロアメ家の経済力は、特権階級のそれに他ならない。
「お前らは何者だ?」
突然。三郎は濃紺のスーツを着た大柄な男に胸ぐらを掴まれ、宙に浮いた。
男はサングラス越しに三郎の顔をマジマジと眺めている。
「ヤメテヤメテヤメテ! サブラウ、わたしの知り合いデース」
前回1人で祖父の家を抜け出した彼女は、今回の滞在では固く外出禁止を言い渡された。
しかし「こんな窮屈な思いをするなら帰る」と言って祖父らを脅し「ボディーガードを付けるなら外出してもいい」という約束を取り付けて、やっとここまでやって来たのだ。
「お知り合い? それは失礼しました。でもお嬢様、こんなゴロツキとはお付き合いなさらない方が賢明かと」
身の丈2mは有りそうなそのボディーガードは、空き缶でも捨てるように三郎を放り投げた。
「グエッ! 何しやがる!」
「へ?」 ヒクッ
その女性からいきなり名前を呼ばれた三郎は、息を詰まらせた。
「なんだ? お前、外人さんに知り合いが居るなんて、隅に置けねぇな」
真っ赤になった三郎の顔は紫になり、吹き出す脂汗と共に青ざめていく。
「ングッ……プハッ。ウゲホッ、ゴホッ! が、外人に知り合いなんか居ませんよ。雷児さぁん」
ようやく息を吹き返した三郎は、咳き込みながらも必死に否定した。
「これ、あなたにもろたよサブラウ。覚えて無いのか有るのかハッキリしろ」
首から下げている、勾玉がヘッドに付いたチョーカーをプラプラさせて彼女は首を傾げる。
「……! ……思い出したぁ! あの変な外人!」
頬をプックリと膨らませて眉を吊り上げると彼女は言った。
「変な外人違いまぁす。わたしカン・ロアメ言います。ジェイと仲良しネ」
彼女は夏休みにまた地球を訪れていた。月地球間に定期便のシャトルが運航している現在に於いても、渡航費用はやはり莫大な物となる。
それを苦もなく捻出するロアメ家の経済力は、特権階級のそれに他ならない。
「お前らは何者だ?」
突然。三郎は濃紺のスーツを着た大柄な男に胸ぐらを掴まれ、宙に浮いた。
男はサングラス越しに三郎の顔をマジマジと眺めている。
「ヤメテヤメテヤメテ! サブラウ、わたしの知り合いデース」
前回1人で祖父の家を抜け出した彼女は、今回の滞在では固く外出禁止を言い渡された。
しかし「こんな窮屈な思いをするなら帰る」と言って祖父らを脅し「ボディーガードを付けるなら外出してもいい」という約束を取り付けて、やっとここまでやって来たのだ。
「お知り合い? それは失礼しました。でもお嬢様、こんなゴロツキとはお付き合いなさらない方が賢明かと」
身の丈2mは有りそうなそのボディーガードは、空き缶でも捨てるように三郎を放り投げた。
「グエッ! 何しやがる!」