ロ包 ロ孝 2
「でも、GPPSのお陰でこんなに平和な社会が訪れたんだし、今度も画期的な何かを発表するのかもネ」
「また手術とかじゃないといいけど……痛いのは嫌だもん……」
しかし今度の決定は、そんな生半可な物ではなかったのだ。
『協定世界時間で午後6時となりました。国際連合より重大な発表です。
皆さんご存知の通り、西暦2034年に地球へ急接近した小惑星「アポティス」を惑星ロケットで軌道修正し、地球との衝突を避けたという歴史が過去に有りましたが……
今回、国際連合のシンクタンクである我々【人類救済会議】は、NP2002という地球軌道と±0タイミングで交差する小惑星を発見しました。
アポティスが全長390mなのに対し、それはゆうに2kmを超す大きさです。
もしNP2002が地球に衝突したとすると、その威力は広島型原爆の8万倍にもなり、恐らく地球は壊滅的な打撃を受けることになります。トリノスケール10のケースです。
しかし今回の小惑星は質量が有り過ぎて、軌道を変える事が出来ません。我々も最善を尽くしましたが、どうしても地球への落下は免れそうにありません。
巨大核爆弾を用いて宇宙空間で出来る限り細かくし、各々の軌道を調整してサハラ砂漠に落下させる計画です。
これに依って惑星落下の衝撃で沿岸に起こる津波を最小限にし、ダメージを少しでも軽減出来る見通しが立ちました。
その後の生活に支障が出る事は否めませんが、全地球規模での絶滅は避ける事が出来ますのでご安心下さい。
国際連合からのお知らせでした。ではこの後、各国製作の関連番組をご覧下さい』