ロ包 ロ孝 2
カンは手刀で首を切るジェスチャーをする。彼らは漸く戦闘態勢を解き、すごすごと彼女に付き従った。
「ごめんなさい。こいつらあなたを怒らせてしまった」
ボディーガード達の失態を詫びるカン。しかし彼らは職務に忠実だっただけなのだ。傍目から見れば、カンはガラの悪いチンピラ2人に絡まれていたようにしか思えなかっただろう。
「仲間がやられちゃぁ俺も黙って見てられねぇからな。その使えない連中を良く教育しておけ、へっ」
雷児は毒づいて砂を蹴った。
「雷児さんはやっぱり頼りになるぜ! ザマー見やがれ、このガラクタども!」
肩に隠れてボディーガード達を挑発している三郎を制して、雷児はカンに向き直った。
「そうだねぇちゃん。あのな」
カンは雷児の言葉を聞き逃すまいとして耳をそばだてる。
「なんでっしゃろう」
「そう言やぁあんた、聞きづてならねぇ事言ってただろう。ジェイさんと友達だ、とか抜かしてたな」
その言葉を暫く噛み締めて考える。
「とも・だち……приятель……ダー。マブダチね!」
カンは今回の為に日本語の猛勉強をした。あくまでも出来ないなりに、ではあるが、これ迄の人生で最も机に向かっていただろうという位の勢いだった。
またジェイと会ってもっと親密になり、更に深い所で語り合いたいと思う情熱が、何度となく挫けそうになったカンを支えていたのだ。
「ジェイに会いたいんデース。あなたたち仲間だろ? 案内シロ、黒ですか?」
だが、まだ気心が知れていない雷児と話すと、どうしてもとんちんかんな日本語になってしまう。
「三郎ぉ、何なんだこいつはぁ」
雷児は「どうにかしてくれ」と目配せした。
「俺のアクセサリーを誉めてくれた時もこうだったんすよぉ、でも悪い奴じゃないと思うんすけどねぇ」
若いマフィア達がカンの物言いにたじたじとなっていたその時。
キィィィィン
突然気圧が下がったような耳鳴りに襲われ、カンは耳を塞いだ。
それは強過ぎる【闘】にだけ起こる前波動だった。
「ごめんなさい。こいつらあなたを怒らせてしまった」
ボディーガード達の失態を詫びるカン。しかし彼らは職務に忠実だっただけなのだ。傍目から見れば、カンはガラの悪いチンピラ2人に絡まれていたようにしか思えなかっただろう。
「仲間がやられちゃぁ俺も黙って見てられねぇからな。その使えない連中を良く教育しておけ、へっ」
雷児は毒づいて砂を蹴った。
「雷児さんはやっぱり頼りになるぜ! ザマー見やがれ、このガラクタども!」
肩に隠れてボディーガード達を挑発している三郎を制して、雷児はカンに向き直った。
「そうだねぇちゃん。あのな」
カンは雷児の言葉を聞き逃すまいとして耳をそばだてる。
「なんでっしゃろう」
「そう言やぁあんた、聞きづてならねぇ事言ってただろう。ジェイさんと友達だ、とか抜かしてたな」
その言葉を暫く噛み締めて考える。
「とも・だち……приятель……ダー。マブダチね!」
カンは今回の為に日本語の猛勉強をした。あくまでも出来ないなりに、ではあるが、これ迄の人生で最も机に向かっていただろうという位の勢いだった。
またジェイと会ってもっと親密になり、更に深い所で語り合いたいと思う情熱が、何度となく挫けそうになったカンを支えていたのだ。
「ジェイに会いたいんデース。あなたたち仲間だろ? 案内シロ、黒ですか?」
だが、まだ気心が知れていない雷児と話すと、どうしてもとんちんかんな日本語になってしまう。
「三郎ぉ、何なんだこいつはぁ」
雷児は「どうにかしてくれ」と目配せした。
「俺のアクセサリーを誉めてくれた時もこうだったんすよぉ、でも悪い奴じゃないと思うんすけどねぇ」
若いマフィア達がカンの物言いにたじたじとなっていたその時。
キィィィィン
突然気圧が下がったような耳鳴りに襲われ、カンは耳を塞いだ。
それは強過ぎる【闘】にだけ起こる前波動だった。