ロ包 ロ孝 2
 この発表の後、全世界の人々は一様に静まり返っていた。

 国連の発表後流された番組に依れば、落下の際に舞い上がる粉塵が大気中に拡散し、今後100年間太陽が覗く事は無いという。

その間に温暖化していた地球は冷え、元通りの自然が孫子の代に待っているのだとか。

 しかしこれが裏国連と呼ばれていた『人類救済会議』の目的だった。

 本来地球に衝突しない筈の小惑星を軌道修正に依り落下させ、舞い上がる粉塵で地球を覆う。その粉塵に依って太陽の熱を遮る事で、人工的に氷河期を誘発させる計画、

『キング·オブ·アンゴルモア』

に依り、地球温暖化に歯止めを掛ける事こそが彼らの真意だったのだ。

 この措置に依って人類は、史上最も熾烈な時代を生き抜かねばならなくなった。


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