ロ包 ロ孝 2
「ははっ! 美味しいね、カン」
「でも私には甘過ぎるで、コレ」
散々ショッピングを楽しんだ後、ジェイとカンはドーナツに舌鼓を打っていた。陳老人の所に世話になって、今日ではや3日目になる。
「そんなこってりクリームのヤツを選ぶからでしょっ?」
とジェイ。
カンが「この格好に男みたいな喋り方はおかしい」と散々言った為に、最初は嫌々使っていた女の子言葉だったが、いつしか自然と口を突いて出るようになっていた。
「順子が先にオールドファッション取っちまうからざんしょ?」
「また変な日本語使って! カンはお爺ちゃんから日本語習った方がいいと思うわよ?」
半分かじったドーナツをくわえながら、カンは驚いて言った。
「ええっ? ダレブの日本語完璧でんがな。爺ちゃんの日本語昔のでしょう!」
どうやらカンは陳老人の日本語力を見くびっているらしい。ダレブこそが日本語の達人だと信じて疑わない。
ジェイはそれを否定するでもなくカンに微笑みを向けている。
「あぁぁっ、それにしても女の子って楽しいものだったねっ。十分満喫させて貰ったわ?」
突然ジェイは立ち上がり、思い切り背伸びをするとそう言った。
「え? ちょと順子。いきなりどした?」
慌てふためいてロイヤルミルクティーを服にこぼすカン。
「あらあら、ダレブが怒るわよ? 私ね、もう戻らなきゃいけないの。
それで……お爺さんにご挨拶させて欲しいのよ」
微笑みながら言うジェイの瞳にはしかし、うむを言わせない真剣さが有る。
カンはその威圧感に気圧されて、反対する事が出来ないでいた。
「わ、解った。でも爺ちゃんもきっと『もう少しごゆるりとなさるが良かたい』ち言わっしゃるばい」
「うん、でもみんなの事が心配なのよ。カンとお爺さんが家族なように、ボスも仲間のみんなも私に取っては家族だから」
───────
無人タクシーに乗って陳老人の家に着いた2人。カンは消沈していて口数も疎らだ。
「本当に行っちまうか……」
「でも私には甘過ぎるで、コレ」
散々ショッピングを楽しんだ後、ジェイとカンはドーナツに舌鼓を打っていた。陳老人の所に世話になって、今日ではや3日目になる。
「そんなこってりクリームのヤツを選ぶからでしょっ?」
とジェイ。
カンが「この格好に男みたいな喋り方はおかしい」と散々言った為に、最初は嫌々使っていた女の子言葉だったが、いつしか自然と口を突いて出るようになっていた。
「順子が先にオールドファッション取っちまうからざんしょ?」
「また変な日本語使って! カンはお爺ちゃんから日本語習った方がいいと思うわよ?」
半分かじったドーナツをくわえながら、カンは驚いて言った。
「ええっ? ダレブの日本語完璧でんがな。爺ちゃんの日本語昔のでしょう!」
どうやらカンは陳老人の日本語力を見くびっているらしい。ダレブこそが日本語の達人だと信じて疑わない。
ジェイはそれを否定するでもなくカンに微笑みを向けている。
「あぁぁっ、それにしても女の子って楽しいものだったねっ。十分満喫させて貰ったわ?」
突然ジェイは立ち上がり、思い切り背伸びをするとそう言った。
「え? ちょと順子。いきなりどした?」
慌てふためいてロイヤルミルクティーを服にこぼすカン。
「あらあら、ダレブが怒るわよ? 私ね、もう戻らなきゃいけないの。
それで……お爺さんにご挨拶させて欲しいのよ」
微笑みながら言うジェイの瞳にはしかし、うむを言わせない真剣さが有る。
カンはその威圧感に気圧されて、反対する事が出来ないでいた。
「わ、解った。でも爺ちゃんもきっと『もう少しごゆるりとなさるが良かたい』ち言わっしゃるばい」
「うん、でもみんなの事が心配なのよ。カンとお爺さんが家族なように、ボスも仲間のみんなも私に取っては家族だから」
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無人タクシーに乗って陳老人の家に着いた2人。カンは消沈していて口数も疎らだ。
「本当に行っちまうか……」