ロ包 ロ孝 2
「揚げ過ぎちゃったから、持って行きなよ。ティーさんにくれぐれも宜しくね」
「おっ、ありがてぇ。おばちゃんのコロッケはみんな大好物だから喜びまさぁ」
ユウレイは吉村が言った事など気にも留めていない様子でコロッケを小脇に抱えた。
「じゃぁあっしは失礼致しまさぁ。また伺わせて貰います。どうか良く考えて下せぇ、お母さんの事も悪いようにはしやしませんぜ?」
田野倉は母の事について触れられると、パッと顔を輝かせたが、吉村を見やると真顔に戻る。ユウレイはそれを見逃さなかった。
「へへっ、じゃあ失礼しやす。気が変わったらいつでも訪ねて下せぇよ?」
〇※○※○※
「あのぉ……ちょっといいですか?」
「なんだ? てめぇは、ここが何処だか解ってんのか」
田野倉は仕事の合間を見て、1人でティーファミリーのアジトを訪れていた。
「は、はい一応解っているつもりです。雷児さんにお取り次ぎ願いたいのですが……」
そう言って顔を上げた田野倉に、門を守っていたチンピラは驚いた。
「ボ、ボス! ん? んな訳ねぇか。雷児さんに用だと? あんた名前は何て言うんだ?」
田野倉の名前を聞くとチンピラはちんたらと中へ入って行ったが、すぐさまアジトの奥から物凄い怒鳴り声が聞こえて来た。
「ばか野郎っ、てめえ何か失礼な事は言ってねぇだろうなぁっ!」「ひぃぃっ、スイマセン」
門番のチンピラを引き摺るようにしてやって来た雷児は頭を下げた。
「田野倉さん、失礼しました。こいつはまだ新入りで、テンデ使えないんだ」
耳の後ろを掻きながら申し訳なさそうにしていた雷児は、もう片方の手にぶら下げているチンピラを怒鳴り付けた。
「おらっ! ボォッとしてねぇで、てめえも謝らねえかっ!」
「スイマセンでしたっ。雷児さんの大切なお客人だとは思ってもみなかったんで……本当、スイマセン」
雷児は彼の首根っこを掴んで力任せに上下させている。
「いえいえ、今日は吉村と別行動でして、こうして伺った次第なんです」
「おっ、ありがてぇ。おばちゃんのコロッケはみんな大好物だから喜びまさぁ」
ユウレイは吉村が言った事など気にも留めていない様子でコロッケを小脇に抱えた。
「じゃぁあっしは失礼致しまさぁ。また伺わせて貰います。どうか良く考えて下せぇ、お母さんの事も悪いようにはしやしませんぜ?」
田野倉は母の事について触れられると、パッと顔を輝かせたが、吉村を見やると真顔に戻る。ユウレイはそれを見逃さなかった。
「へへっ、じゃあ失礼しやす。気が変わったらいつでも訪ねて下せぇよ?」
〇※○※○※
「あのぉ……ちょっといいですか?」
「なんだ? てめぇは、ここが何処だか解ってんのか」
田野倉は仕事の合間を見て、1人でティーファミリーのアジトを訪れていた。
「は、はい一応解っているつもりです。雷児さんにお取り次ぎ願いたいのですが……」
そう言って顔を上げた田野倉に、門を守っていたチンピラは驚いた。
「ボ、ボス! ん? んな訳ねぇか。雷児さんに用だと? あんた名前は何て言うんだ?」
田野倉の名前を聞くとチンピラはちんたらと中へ入って行ったが、すぐさまアジトの奥から物凄い怒鳴り声が聞こえて来た。
「ばか野郎っ、てめえ何か失礼な事は言ってねぇだろうなぁっ!」「ひぃぃっ、スイマセン」
門番のチンピラを引き摺るようにしてやって来た雷児は頭を下げた。
「田野倉さん、失礼しました。こいつはまだ新入りで、テンデ使えないんだ」
耳の後ろを掻きながら申し訳なさそうにしていた雷児は、もう片方の手にぶら下げているチンピラを怒鳴り付けた。
「おらっ! ボォッとしてねぇで、てめえも謝らねえかっ!」
「スイマセンでしたっ。雷児さんの大切なお客人だとは思ってもみなかったんで……本当、スイマセン」
雷児は彼の首根っこを掴んで力任せに上下させている。
「いえいえ、今日は吉村と別行動でして、こうして伺った次第なんです」