ロ包 ロ孝 2
雷児さん、すみません。そろそろ仕事の時間なので帰ります。
また吉村と別行動になれたら伺います。
田野倉純
「わぁぁあっ、しまったぁぁぁぁ」
雷児は膝から床に落ち、頭を抱えて叫んだ。
『なんだって? 居なくなった?』
その報告を聞いて表情を強張らせたティーだったが、少し考えると微笑んで雷児に向き直った。
『いや、いいんだ。有り難う』
「良くないですよ。折角向こうから来てくれたってのに俺は……」
雷児はまだ頭を抱えて悔しがっている
『良く調べてくれた。ご苦労だったな、雷児。超素質を探せとは言ったが、正直見付かるかどうかも解らなかったんだ。だがな?』
ティーは目を見開いて雷児に近寄り、口角をこれでもかと吊り上げた。
『それが超素質を見付け出したばかりじゃなく、思い掛けない吉報をもたらしてくれたかも知れない。いや多分間違いない』
「ボス、顔が近いっすよ。その吉報ってなんですか?」
『その田野倉純って彼は、恐らく俺の息子だ』
雷児は聞き返す事もままならずティーを見詰めている。
「ボスゥ、墨刀の奴ら狩りに行きましょ……う。うわぁっ雷児、ボスっ! 何やってんですかっ!」
顔中をにっこり輝かせたティーと、放心状態で口を開けた雷児が同時にジェイを振り返って言う。
『なんだジェイ』「どうしたんですかジェイさん」
「2人共、気持ち悪いですよ? そんなに近付いて!」
嫌悪感まる出しで言うジェイに悪びれもせずティーは答えた。
『いやぁ、雷児が俺の息子と嫁さんを見付け出してきてくれたんだよ。偶然な!』
「えっ? 奥さんは子供を身籠ったまま亡くなったって確か……」
ジェイは目をくるくるさせて考えを巡らせている。
『そう。その筈だったんだが、どういう訳か雷児が探して来た人物は俺の息子としか考えられんのだ』
いつの間にかジェイにぴったり寄り添って雷児が頷いている。
「なんだよ雷児、気持ち悪りぃな」
「ジェイさんの耳からボスの声が聞こえるんですよ。フンフンそれで?」
雷児は更にくっつくと、ティーの言葉を待った。
また吉村と別行動になれたら伺います。
田野倉純
「わぁぁあっ、しまったぁぁぁぁ」
雷児は膝から床に落ち、頭を抱えて叫んだ。
『なんだって? 居なくなった?』
その報告を聞いて表情を強張らせたティーだったが、少し考えると微笑んで雷児に向き直った。
『いや、いいんだ。有り難う』
「良くないですよ。折角向こうから来てくれたってのに俺は……」
雷児はまだ頭を抱えて悔しがっている
『良く調べてくれた。ご苦労だったな、雷児。超素質を探せとは言ったが、正直見付かるかどうかも解らなかったんだ。だがな?』
ティーは目を見開いて雷児に近寄り、口角をこれでもかと吊り上げた。
『それが超素質を見付け出したばかりじゃなく、思い掛けない吉報をもたらしてくれたかも知れない。いや多分間違いない』
「ボス、顔が近いっすよ。その吉報ってなんですか?」
『その田野倉純って彼は、恐らく俺の息子だ』
雷児は聞き返す事もままならずティーを見詰めている。
「ボスゥ、墨刀の奴ら狩りに行きましょ……う。うわぁっ雷児、ボスっ! 何やってんですかっ!」
顔中をにっこり輝かせたティーと、放心状態で口を開けた雷児が同時にジェイを振り返って言う。
『なんだジェイ』「どうしたんですかジェイさん」
「2人共、気持ち悪いですよ? そんなに近付いて!」
嫌悪感まる出しで言うジェイに悪びれもせずティーは答えた。
『いやぁ、雷児が俺の息子と嫁さんを見付け出してきてくれたんだよ。偶然な!』
「えっ? 奥さんは子供を身籠ったまま亡くなったって確か……」
ジェイは目をくるくるさせて考えを巡らせている。
『そう。その筈だったんだが、どういう訳か雷児が探して来た人物は俺の息子としか考えられんのだ』
いつの間にかジェイにぴったり寄り添って雷児が頷いている。
「なんだよ雷児、気持ち悪りぃな」
「ジェイさんの耳からボスの声が聞こえるんですよ。フンフンそれで?」
雷児は更にくっつくと、ティーの言葉を待った。