ロ包 ロ孝 2
「旧時代のスパコンなんかゴミよゴミ。これは私の宝よぉ」

 端末に頬擦りする野木村をよそに、林はそのBBSへ謝辞を書き込んでいた。

<2;

投稿者


題名
お礼遅くなりました。

本文
1>>
この度は巨額のご尽力を頂き、誠に有り難うございます。
装備も十分過ぎる程に揃えさせて頂きました。
Q様にはお礼のしようもございません。
民権奪還という大願の為、無駄無く、有効に使わせて頂きます。>


 林は心につかえていた何かがやっと取り除かれた気がした。

今迄とは違って、ミッションの度に金策で走り回る事も無い。壊れそうな備品を騙し騙し、それこそ綱渡りのようにして使い回したりしなくて済む。ミッションに依っては命懸けの場合もあるのに、頼みの綱がボロボロで、何度も命の危険にさらされた。

これ迄1人の犠牲者も出していない事の方が寧ろ奇跡的だったのだ。そんな思いをせずに済むというのは『ブルー・タスク』に取ってこの上無い前進だ。

「ほんと、感謝してます」

 林はそういうと、ディスプレイに深々と一礼する。野木村もそれに倣って頭を下げていた。


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