ロ包 ロ孝 2
 遥か昔、日本政府は音力エージェントから選抜した暗殺者を敵国へと送り込み、最高指導者を亡き者にした。

 その行為は国連総会や種々の国際会議に取り沙汰され、日本政府は一時激しく糾弾された。

しかし結局は、敵国側の二重スパイが任務を誤った所為で起こった不慮の事故として処理されたのを良い事に、警察は音力の存在を明らかにして、正式に内部機関として発足させた。

その後GPPSが開発、施行される迄犯罪撲滅に貢献し、日本の治安を守って来た音力は、その目的を失った事で只のお飾り的組織に成り下がっていく。

 『キング・オブ・アンゴルモア』の後、強大な力を持て余していた音力は、月に建設されたスペースコロニーに移住する事が出来ない高齢の富裕層や、国連の重役達が避難する為に建造されたグランドコロニー(通称グラコロ)を、一般市民らの暴動等から守る役割に従事する事で、その存在意義を保つ道を辛うじて見いだしていた。


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