ロ包 ロ孝 2
「ご苦労だったな。タケモンに西やん」

「ああ林さん。首尾良くパパッと終わらせて来ましたよ、凄いっしょ」

「西村。武田。ミッツィーからあだ名で呼んで貰えたら一人前よ? 貴方達」

 西村達が得た斜行エレベーターピット内の情報をコンピューターに解析させる為、野木村は盛んにキーボードを叩きながら言った。

「結構いい線いってるだろう? 西やんにタケモン……あれ?」

 調査・撮影を終え、ブルータスクの事務所に戻って来た2人は、林からあだ名で呼ばれたのにもノーリアクションで、仲良くフィギュアの共同製作を始めていた。

「やっぱりクリティカルショットはこう作るべきっしょ」

「武器やマシンは西村さんにゃ敵わないなぁ」

「おお〜い! そこの2人ぃ!」

 林が声を掛けても、2人は作業に夢中で耳に入っていないようだ。

「やれやれ……ノギちゃんどうよ、あの2人」

 林に問い掛けられ、首だけをそちらに向けると打鍵のスピードはそのままに野木村が返す。

「帰って来るなりああなのよ? もしかしてテントの中で急接近しちゃったのかも、フフ」

「ええぇぇ? なんだアイツら、そんな趣味だったのか?」

 林は心底嫌そうな顔で野木村を見やった。でもモニターを見ながら忙しく指を動かす彼には少しも通じていない。

「男には男しか解らない『ツボ』が有るのよ。だからミッツィーも早くコッチに来ればいいのにぃぃ」

 そんな事を噂されているとも知らず、2人は仲良くフィギュアをいじっていた。

「うぇっ! やめてくれっ! 折角の飯が不味くなる。それはそうと、どうなんだい?」

 打ち込みの手が止まったので聞いてみる。野木村は少し眉をしかめながら言った。

「これは思ったより厳重ね。スロープに2基ずつ6基、最深部に4基の全部で10基自動機銃砲門が有るわ?」


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