ロ包 ロ孝 2
「手荒な真似はするなと言ってます。シマは全部渡すとも言ってます」

 スーツの男は俯き、暫く無精髭をいじり回していたが、ジェイを見ながら口を開く。

「幾ら身内だからといって、こんな小僧のどこにそんな価値が有る、ん? んん?」

 しゃがみ込んでジェイを見下ろした男は、そこに転がっているのが男性ではない事に漸く気が付いた。そして薄気味悪い微笑みを浮かべながらティーを振り返る。

「なあんだ。No.2じゃなくてお前の情婦(イロ)だったのか? こいつは。
 しかし、お前も相当なロリコンだな」

 男はジェイの赤い後ろ髪を掴んで引っ張りあげると、まじまじと顔を覗き込む。

「そんなんじゃ無いと言ってます。そいつは娘なんだと言ってます……ああっ、頭が割れそうだっ」

 感情が昂ってきたティーの【闘】に、小男は堪らず頭を抱え膝を付いて耐えている。

「ほう、お前の娘か。良く見りゃ結構可愛い女の子じゃねぇか。もしかして処女なのか? よおし、俺が喰ってやる
 俺はな、相当なロリコンなんだよ。ぐはははは」

 そう言うとおもむろに立ち上がり、男はカチャカチャと自分のベルトを外した。

「いいかお前ら、ティーから目を離すんじゃねぇぞ? 少しでも動いたら穴だらけにしてやれ」

 そう言って男はジェイの上に馬乗りになった。彼女が無意識なのをいい事に、いやらしい顔をこれでもかと近付けている。

「死にたくなかったらよせって言ってます」

「何を言ってやがる、少しでも動いてみろ。死ぬのはお前だ」

 男は尚もその行為をやめようとはしない。

「こんな所でこんなに可愛い娘が喰えるなんて、夢にも思ってなかったぜ」

 そう言って舌舐めずりをしながらジェイの上着を脱がせた。

「兄貴! まだ死にたいのかなんて言ってますけど」

「うるさい! お前ももう訳すな。黙って見てろ。
 ティーよ。優しく抱いてやるから安心しろって! ぐゎはは」

「兄貴、やめろって言ってますけど……ヤメロってぇわぁぁ、グワァア!」

 ティーの【闘】が強過ぎて、通訳の小男は叫び声を上げながら卒倒した。


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