ロ包 ロ孝 2
「だがな」
その時、峰晴はこれでもかと口角を上げて冷笑していた。
「その楯は、後ろからの攻撃には対処出来ないだろう?」
見るとさっきまで焦りの色を隠せなかったジェイまでが笑顔で頷いている。
「な、何? 後ろだと?」
顔面蒼白になった桜木が恐る恐る振り向くと、突き当たりの非常口に雷児達が、これも満面の笑みを湛えて立っていた。
「峰さんすいません。鍵を壊すのに手間取っちゃって……」
「雷児、ぶった斬れ! ワァァァァァア」「お前達っ、うしっ後ろだ! 早く」
ジェイはすぐさま【列】を張って待ち構える。桜木達は慌てて楯を構え直すが、狭い廊下での入れ替えに手間取っている。
「はい、お疲れさん。シュッ」
バキバキバキバキズパッバキバキンッ
雷児の放った【陣】に桜木達は声も無く切り裂かれ、血しぶきを振り撒いて飛ばされた3人の上半身は哀れ、天井に叩きつけられていた。
床に落ちたそれらは暫くビクビクと動いていたが、やがてゼンマイが切れたかのようにその動きを止めた。
「終わったな。ジェイ」
「黒ちゃん。仇は雷児が取ってくれたよ」
まぶたをいくら伏せようとしても目を見開いたままの晋にジェイはそっと口付けた。
「私、ほんとは黒ちゃんの事が好きだったの……」
「へへっ、ジェイさん愛の告白ですかい? ……え、黒岩さんっ?」「晋くん? 晋くんっ!」
ジェイの告白を聞き、オチャらけた素振りで近付いてきたユウレイが蒼ざめて立ち尽くす。
今来たばかりの雷児達は暫く晋の死が理解出来ないでいた。
「何で? 防弾スーツ着てたのに?」
「そんな……晋……くん」