ロ包 ロ孝 2
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「バイバイ、晋くん」

「有り難う、黒ちゃん」

「黒岩さん……」

 晋に最後の別れをしたティーファミリーの面々は、皆沈痛な面持ちで斎場を後にしていた。

「……ボスは一体どうしてるんでしょう」

「晋くんが死んじゃったってボスが聞いたら、俺達絶対怒られるよな」

「でもあっしら、ファミリーのシマを守ったじゃありやせんか。
 ボスにも喜んで頂けやすよ!」

 ユウレイが努めて明るく振る舞っているのには訳が有る。先ほどからジェイがひと言も発していなかったからだ。

「ねぇジェイさん、そうでやしょう?」

「ああ。……そうだな」

 力無くそう返すと、ジェイは誰が見ても解る程憔悴し切った顔に、引き攣った笑顔を貼り付けていた。

「よっぽどショックだったんだよな。ボスが死んだって言っても平気だったのに」

「あっちゃん、それとこれとは……」

「いやみんな、心配掛けてごめん。俺が悪かったよ。みんなだって辛いのにな」

 ジェイは晋の思い出を振り切るかのように大きく頭を2回振ると、一同を見回した。

「よし。晋くんだって俺がメソメソしてたら怒るよな。俺達はボスを探して、ファミリーの立て直しだっ!」

「おうっ!」

「そう来なくちゃ!」

 若いマフィア達は漸く前を見詰めて歩き出した。


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