ロ包 ロ孝 2
「俺達の活躍をボスは知ってたんだ」

「ニュースをぅ、お見せしたんですぅぅ」

「そうだったんですか」

 そしてメッセージはティーが墨刀一味から奇襲を受けたその顛末へ続く。

「ミサイルの総攻撃を1人で乗り切るのなんて無理だよ。ボスはおっちょこちょいなんだから」

 ジェイが思わず漏らした言葉に一同は頷いている。

『再生を急いでいる時に峰晴を見掛けたが、まさかまたマフィアの道に戻ったりはしていないな?

もしそんな事をしていたら、あの内緒話を皆にバラスから覚悟しておけ。だが、心配させて悪かったな、有り難う』

 峰晴は一番に名前を呼ばれた事が嬉しくて、頬を伝う熱い物を抑えきれないでいた。

「ボスぅ」

「峰さん、良かったね。ちゃんと見ていてくれたんだよ」

 ジェイが子供をあやすように頭を撫でても彼はなすがままだった。

『マユ。お前はオッパイが出っ張って来たんだから、風呂上がりはちゃんと服を着なさい

ボスはもうすぐ帰るからね』

 雷児達を引き取った時に最年少だったマユは今、まだ露店商にもなれない小さな孤児達のお姉さん役である。

「はいボス。マユはいい子で待ってるのだもの」

「ボスは何かに付けてオッパイばっかりだ」

 呆れたようにジェイが言う側で若いマフィア達は笑いを噛み殺している。

 そしてティーが面倒を見ている子供達に混ざって三郎、ユウレイ、敦、雷児がそれぞれ呼ばれ、ティーからねぎらいの言葉を掛けられる。しかしジェイは他のメンバーが呼ばれる度に顔を曇らせていく。

【何故俺の名前が出てこないんだ? やっぱりボスに取って俺は、もう用無しなのか?】

 薄々ジェイの名前が上がっていない事に気付き始めたメンバー達は、自分の名前を呼ばれても素直に喜べないでいた。

『最後に晋』

【ボスっ! なんでっ?】

『お前も知っている通り、ジェイはお前の事が好きだ』

【なっ! 何を言ってるのっ、ボスッ!】

「晋くんが死んだ事を知らないんだよ、ボスは……」

 メッセージは続いている。

『そして晋。お前には蠢声操躯法の才能も無い。ここでマフィアとして生きるのは辛いだろう』

【ボスは俺だけじゃなく、晋くんも要らないと思ってたのか?】


< 237 / 258 >

この作品をシェア

pagetop