ロ包 ロ孝 2
 スーツに着替えてマスクを被り、地味なビジネス用防塵マントを羽織ると、峰晴はティーの部屋を出た。

「峰晴さん」「峰さん」「みねはるさん」

 若いマフィア達はぞろぞろと後に追い縋ったが、峰晴の柔らかな、しかし毅然とした制止に足を停めた。

廊下を突き当たったアジトの出口で彼は半身だけ振り返り、2本指で軽く敬礼の真似事をしてドアを開ける。

「有り難うございましたっ!」

 最敬礼をした若いマフィア達から揃って発せられた声を背中に、峰晴はまた暗く冷たい砂嵐の中へと戻って行った。


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