ロ包 ロ孝 2


「!!」

 山路から渡されたPDAを読んで、ティーは晋の死を知った。

【この件が終わったら晋とジェイは引退させる筈だったのに、何故その前に死んだんだ】

「ファミリーのみんなもぉ、ティーィさんがショックを受けるんじゃないかってぇぇ、心配してましたぁ」

 ティーは涙を拭おうともせずに山路へ一礼すると、林が心配そうに語りかけた。

「ご不幸には痛み入ります。御愁傷様でした。
 でもティーさんには沢山のご家族がいらっしゃるんですね」

『ええ。小さい頃から面倒を見て来たので、みんな私の子供達なんですよ』

 メカニックの武田が作った音圧をコントロールする装置のお陰で、ティーは普通に会話が出来るようになっていた。

「亡くなったお子さんは残念でしたが、どうか他のお子さん達の為にも元気をお出しにならないと」

 林はティーの意気消沈振りを見兼ねて肩を抱いて励ましたが、また一回り大きくなったその身体を見て、驚きを隠せなかった。

「しかしティーさん。その再生能力なんですが、一体どうやって……」

 そう言い掛けて林は、ギンコーのマスター石崎が悲し気に漏らした台詞を思い出した。

「死なないんじゃない、死ねないんだ」

 その時石崎はそれ故にティーが背負った様々な十字架について滔々(トウトウ)と語り続けたのだ。



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