ロ包 ロ孝 2
「え? 空を飛んでたですって?」
カチャカチャカチャッ
「なるほど、さっき削除した記事の中に有ったわ。総合してみるとこうね」
ディスプレイにレポートを編集し直して表示させると説明を始めた。
「ティー達はどうやら蠢声操躯法のような術を操れるようだわ?
でも音力が使うそれより多彩でしかも強力で、通常の攻撃位では声も出さないらしいの」
「音力と関係が深いのか?」
「うぅぅん。そこ迄はネットじゃ解らないわね。あっ? 8年前ので古いけど、こんなのも有るわよ?」
野木村は警備会社の防犯カメラに映し出されたという流出映像を再生して見せる。薄暗い応接室然とした部屋で、ティーと思しき人物が数人の男に囲まれている。男達は手に手に銃を持っていた。
すると画面が何度も白く輝き、ティーらしき人物はその度に身体を躍らせる。
「あっっ撃たれた!」
一度は倒れ込んだティーらしき男は、ゆっくり起き上がると銃を持った男達に向き直る。
「え?」
そして画像が少しブレると、正面で銃を構えていた男が紙のように千切れた。
「ええっ?」
また何発もの弾丸が発射され、画面はその度にホワイトアウトするが、断片的に映っていた映像はどれも凄惨なものだった。
首を跳ばされ、血しぶきを上げながら数歩歩いてこと切れる者。
胴体を上下まっ二つにされ痙攣する者。
壁に叩き付けられ、ノシイカのように拡がって絶命する者。
「彼は、ティーは防弾チョッキを着ていたのか。……しかしこの様子は……。まるでこの世の地獄だな……」
その瞬間。一際画面がブレると、調度品が一気に吹き飛ばされた。壁がゆっくりと外に向かって倒れて行く映像を最後に、また冒頭シーンからの再生が始まる。
何度か繰り返される映像を無言で見ていた2人だったが、野木村が先に口を開いた。
「……これは酷い。音力の映像はみんなコードが掛かってて見られない物ばかりだから……」
「蠢声操躯法って、悪魔の術なんだな。……コマンダー達はこの術が狙いなんだよ。
民権奪還軍は悪魔と手を結ぶつもりなんだ!」
カチャカチャカチャッ
「なるほど、さっき削除した記事の中に有ったわ。総合してみるとこうね」
ディスプレイにレポートを編集し直して表示させると説明を始めた。
「ティー達はどうやら蠢声操躯法のような術を操れるようだわ?
でも音力が使うそれより多彩でしかも強力で、通常の攻撃位では声も出さないらしいの」
「音力と関係が深いのか?」
「うぅぅん。そこ迄はネットじゃ解らないわね。あっ? 8年前ので古いけど、こんなのも有るわよ?」
野木村は警備会社の防犯カメラに映し出されたという流出映像を再生して見せる。薄暗い応接室然とした部屋で、ティーと思しき人物が数人の男に囲まれている。男達は手に手に銃を持っていた。
すると画面が何度も白く輝き、ティーらしき人物はその度に身体を躍らせる。
「あっっ撃たれた!」
一度は倒れ込んだティーらしき男は、ゆっくり起き上がると銃を持った男達に向き直る。
「え?」
そして画像が少しブレると、正面で銃を構えていた男が紙のように千切れた。
「ええっ?」
また何発もの弾丸が発射され、画面はその度にホワイトアウトするが、断片的に映っていた映像はどれも凄惨なものだった。
首を跳ばされ、血しぶきを上げながら数歩歩いてこと切れる者。
胴体を上下まっ二つにされ痙攣する者。
壁に叩き付けられ、ノシイカのように拡がって絶命する者。
「彼は、ティーは防弾チョッキを着ていたのか。……しかしこの様子は……。まるでこの世の地獄だな……」
その瞬間。一際画面がブレると、調度品が一気に吹き飛ばされた。壁がゆっくりと外に向かって倒れて行く映像を最後に、また冒頭シーンからの再生が始まる。
何度か繰り返される映像を無言で見ていた2人だったが、野木村が先に口を開いた。
「……これは酷い。音力の映像はみんなコードが掛かってて見られない物ばかりだから……」
「蠢声操躯法って、悪魔の術なんだな。……コマンダー達はこの術が狙いなんだよ。
民権奪還軍は悪魔と手を結ぶつもりなんだ!」